「FRBから通貨発行権を取り戻したいトランプ」
トランプ米大統領とパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長のバトルは大きなニュースになった。トランプのターゲットはもちろん「金利の引き下げ」だったが、隠れた狙いは「FRBを解体して通貨発行権を政府に取り戻す」ことにある。主要国は中央銀行が通貨発行権を握っている。日本の場合は日銀で、その利益は国庫に入り、各国も同じである。ところがFRBは民間銀行である。
株主は極秘となっているが、ロスチャイルド(独)、ラザール・フレール(仏)、イスラエル・モーゼス・シフ(イタリア)、ゴールドマン・サックス(米)などといわれている。米政府が国債を発行するときはFRBから金を借りて、そのうえ利子も支払っている。FRBの株主である国際金融資本は濡れ手に粟の巨額な利益を得ている。トランプはこのおかしな利権構造を崩そうと狙っている。
もっとも米国にも中央銀行らしきものがあった。1791年に設立した第1合衆国銀行で、株の80%はロスチャイルドが所有、残りの20%は米政府が持った。期限は20年で、英国は継続を迫ったが議会が否決、それがきっかけで1812年に米英戦争が起きた。米英戦争は北米大陸の土地の争奪が戦争の原因と言われているが、英国は中央銀行の継続を認めさせる狙いもあった。
1817年、建国以来最悪のインフレに見舞われた米国は止むを得ず第2合衆国銀行を設立した。期限は同じ20年で、議会は更新を決めたが、第7代大統領のジャクソンは拒否権を行使して中央銀行を廃止、通貨発行権を政府に取り戻した。その後ジャクソンは暗殺未遂に3回遭っている。
通貨発行権を巡る米政府と中央銀行の戦いは米政府とロスチャイルド家の戦いでもあった。ロスチャイルドは南北戦争のさい、リンカーン大統領に資金提供を申し入れたが、リンカーンは拒否して政府紙幣を発行した。リンカーン暗殺はロスチャイルドの指示だった。リンカーンは生前、「私には2つの敵がいる。前方には南軍、後方には銀行家がいて、最大の敵は銀行家だ」と語っていた。
2017年に大統領に就任したトランプは、大統領執務室にジャクソンの肖像画を掲げた。来年7月4日、米国は建国250周年を迎える。トランプは記念式典で「メイク・アメリカ・グレート・アゲイン」の成果を国民に報告する。通貨発行権の奪取もその大きな柱だが、こちらの実現は難しいようだ。
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