米軍事情報当局が24日(現地時間)、米国の空襲にもかかわらずイランの地下核プログラムの核心要素は破壊されなかったという初期の評価報告書を作成したことが把握された。超大型バンカーバスターGBU-57で核施設を焦土化したというトランプ米大統領の主張とは完全に異なる判断だ。
ホワイトハウスは「全面的に誤った内容」と反発しながらも、当初この日に行う予定だった上下院議員に対する非公開ブリーフィングを突然延期し、論議を呼んでいる。
◆「核兵器開発6カ月未満遅延の効果」
CNNはこの日、匿名の関係者を引用し、「(米国防総省傘下の)国防情報局(DIA)の(初期評価)報告書によると、イランの濃縮ウランの在庫は破壊されず、遠心分離機などもほとんど正常に作動する状態」とし「米国の空襲は核プログラムを数カ月ほど遅延させただけ」と伝えた。
ニューヨークタイムズ(NYT)も「空襲で核施設の入口を遮断するのに成功したが、地下構造物は崩れなかった」とし「報告書は『イランが核物質の大部分を統制していて、必要に応じて比較的早期に核兵器開発が可能』と判断した」と伝えた。続いて「(空襲した)フォルドゥ、ナタンズ、イスファハンの核施設3カ所の被害は地上構造物に集中し、核兵器製造に必要なウラン金属化設備や電力インフラなどは損傷した水準」とし「空襲により遅れた核開発期間は最大6カ月未満」と伝えた。
こうした報道に対し、ホワイトハウスのレビット報道官はソーシャルメディア(SNS)に「この評価は完全に誤り」として反論した。続いて「重量3万ポンド(13.6トン)の爆弾14発が目標物に完ぺきに投下されればどうなるかは誰でも分かる」とし「それは完全な消滅」と強調した。ただ「1級機密に分類された資料が流出した」とし、報告書の存在については否認しなかった。
◆停戦の前提を揺るがす…「戦争の火種」消えたのか
トランプ大統領はこの日、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議出席のためオランダに到着した後、記者らに「目標物を打撃し、これは消えた」とし「CNNはクズども(scum)であり偽ニュース」と話した。そして「彼らは命をかけて任務を遂行した操縦士を傷つけ、私を引き下ろそうとする」と述べた。
ヘグセス国防長官も空襲に対する立場を聞く中央日報の質問に報道官を通じて「爆撃作戦でイランの核兵器開発能力を完全に破壊した」とし「爆弾が破壊的でなかったと話す人たちは、ただ大統領と作戦成功を毀損しようとしている」と答えた。
米メディアが言及したDIA報告書は空襲直後の初期の判断を反映したものであり、最終結論は変わる可能性がある。しかしイランの核施設が健在である場合、いつでも戦争の火種になり得る。
報告書も「核施設が破壊されたのではなく損傷したと判断する」とし「濃縮ウランの在庫の大部分も米国の攻撃前に移された」と分析した。米科学国際安全保障研究所(ISIS)はイランが核兵器9個分量の60%濃縮ウランを保有していると推定している。空襲前の時点を基準に、これを核兵器級の90%に濃縮するのにかかる時間は「3週以内」と見なした。
J・D・バンス副大統領も前日、FOXニュースのインタビューで、イランの濃縮ウランの行方について明確な返答ができなかった。ただ、「仮にイランが60%水準の高濃縮ウランを移したとすれば、最も大きな懸念はこれを90%以上に濃縮するかどうかという点」とし「ところが我々が(濃縮)装備を破壊したため、イランは核兵器を作る能力が消えた」と主張した。
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