トランプ イカさま会計手法

(ブルームバーグ): 米上院共和党は、トランプ大統領の看板政策である減税措置の延長にかかるとされる3兆8000億ドル(約548兆円)の推定コストについて、異例の会計手法を用いて実質的に帳消しにする計画を進める。

  上院共和党は30日、減税延長の費用をゼロと見なすことに賛成票を投じた。民主党の反対を押し切るとともに、米財政赤字の膨張に対するエコノミストらの懸念を無視した。

  共和党側は「現行政策ベース」と呼ばれるこの会計手法を用いることで、トランプ氏の掲げる「一つの大きく美しい法案」にさらなる減税措置を盛り込む余地が生まれると主張している。

  米議会の税制合同委員会によると、第1次トランプ政権で導入された減税措置を延長するためのコストは3兆8000億ドルに上る。一方で法案に含まれるその他の税制関連条項のコストは約6930億ドルにとどまり、法案の公式コストには後者の額のみが反映されている。

  民主党議員や独立の財政専門家らは今回の措置について、法案の費用を覆い隠すための手段だとして共和党を批判している。

  この日の採決で、共和党は迅速な議会通過を可能にする財政調整措置の手続きを通じて立法化する場合に、法案の財政影響に制限をかける規則を回避できる見通しとなった。エコノミストらは会計手法にかかわらず、減税延長なら財政赤字を数兆ドル規模で拡大させると警鐘を鳴らしている。

  トランプ氏は同法案を7月4日までに可決するよう求めている。上院は7月1日までの採決を目指しており、その後下院も上院が可決した修正法案を早ければ7月2日にも採決する可能性がある。

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