ケネディ米厚生長官は虚偽情報の拡散やめて 保健機関職員、決死の嘆願© Jim WATSON/AFP
【AFP=時事】米保健機関の現職および元職員数百人が20日、ワクチン懐疑論者として知られるロバート・F・ケネディ・ジュニア厚生長官が虚偽情報を拡散しているせいで危険にさらされていると非難した。
今月8日、新型コロナウイルスのワクチン接種で病気になったと思い込んで逆恨みした男が、主要な保健機関である疾病対策センターのアトランタの施設を襲撃し、警察官1人を殺害。男も死亡した公開書簡は、この襲撃は「無差別攻撃ではない」として、「公的機関への不信感が募っているが、これは公衆衛生の専門家を信頼できる専門家から悪役におとしめ、今や暴力の標的へと変えた政治的な言説によって引き起こされたものだ」と訴えた。
こうした不信感をあおっているのはケネディ厚生長官だと名指し。「不正確な医療情報を繰り返し拡散することで、米国の公衆衛生インフラを解体し、国民の健康を危険にさらすのに加担している」として、方針転換を強く求めた。
ケネディ厚生長官は就任以来、特にワクチンに関して、科学的コンセンサスに反する発言を数多く行ってきた。ワクチンに関する虚偽情報を繰り返し発信し、自らが率いる保健機関を腐敗していると非難している。
ワクチン懐疑論へ傾斜は多くの専門家から非難され、ケネディ厚生長官の弾劾を議会に求める嘆願書は、20日時点で1万2600筆以上の署名を集めた。
公の抗議はリスクを伴う。環境政策に反対を表明する文書に署名した環境保護局の職員約140人は先月、休職処分を受けた。
コメント