2つ目の選択肢は、Windowsとは全く異なるOSである「Linux(リナックス)」に乗り換える方法です。これは、PC本体はそのままに、中身のOSだけを入れ替えてしまうという、少し技術的な知識を要する選択肢ですが、多くのメリットも備えています。
Linuxは、世界中の開発者によって共同で開発が進められている、オープンソースのOSです。基本的には無料で利用できるのが大きな特徴です。
「Linuxは専門家向けで難しそう」というイメージがあるかもしれませんが、近年では初心者でも使いやすいように工夫されたディストリビューションも数多く登場しています。特に、Windowsからの移行を考えるなら、以下のようなものがおすすめです。
・Ubuntu(ウブントゥ): 世界で最も人気のあるディストリビューションの一つ。洗練されたデスクトップ環境と豊富な情報量で、初心者でも比較的スムーズに移行できます。
・Linux Mint(リナックス・ミント): Windowsによく似た操作感を目指して開発されており、スタートメニューやタスクバーなど、直感的に使えるインターフェースが特徴です。
これらのディストリビューションは、Webブラウザ(FirefoxやChrome)、オフィスソフト(LibreOffice)、メールソフトなどが最初からインストールされており、インストール後すぐに基本的な作業を始めることができます。
どんな人におすすめ?
Linuxへの移行は、「新しいことに挑戦するのが好き」「PCのコストを極力抑えたい」「Webブラウジングやメール、簡単な文書作成が中心」といったユーザーにおすすめです。特に、プログラミング学習やサーバー構築などに興味がある人にとっては、Linuxは最適な学習環境となるでしょう。ただし、仕事で特定のWindowsソフトが必須な人や、PCトラブルの自力解決に自信がない人には、少しハードルが高いかもしれません。
選択肢3:「ChromeOS Flex」への移行
3つ目の選択肢は、Googleが提供する「ChromeOS Flex」をインストールする方法です。これは、PCをChromebookのように変えることができる、シンプルな選択肢と言えるでしょう。
ChromeOS Flexは、Googleが開発したクラウドベースのOS。もともとは「CloudReady」という名前で提供されていたサービスをGoogleが買収し、より多くのPCで利用できるようにしたものです。最大の特徴は、その動作の軽さとシンプルさにあります。Webブラウザ「Google Chrome」上でほとんどの作業が完結するように設計されており、古いPCや低スペックなPCでも驚くほど快適に動作します。もちろん、無料で利用可能です。
どんな人におすすめ?
ChromeOS Flexは、「PCの用途はインターネットと動画視聴、簡単な文書作成がほとんど」「難しい設定は苦手で、とにかくシンプルに使いたい」「Googleのサービスを普段からよく利用している」といったユーザーに最適です。お子様専用のPCや、リビングに置く共用のセカンドPCとして、古いPCを蘇らせるのにも良い選択肢でしょう。ただし、Microsoft Officeの全機能を使いたい、専門的なソフトウェアが必要、といった場合には不向きです。
結局どれがいい?3つの選択肢を徹底比較
ここまで3つの選択肢を見てきましたが、それぞれに一長一短があり、どれが最適かはユーザーの状況や使い方によって異なります。ここで、改めて各選択肢の特徴を表にまとめて比較してみましょう。
(画像はスマホライフPLUS編集部作成)
結論:どの選択肢も魅力的でないなら「買い替え」が最善手
3つの選択肢を検討しても、「ESUはコストがかかり続けるし、LinuxやChromeOS Flexは今使っているソフトが使えなくなるのが困る…」と感じる方も少なくないでしょう。もし、あなたがそう思うのであれば、無理に現在のPCを使い続けるのではなく、Windows 11が搭載された新しいPCに買い替えるのが、最もシンプルかつ確実な解決策となるでしょう。
最新のPCは、Windows 11に最適化されているだけでなく、処理性能や省電力性も数年前のモデルとは比べものにならないほど向上しています。長期的な視点で見れば、ストレスなく快適に作業できる環境を手に入れることは、ESUの費用やOS移行にかかる手間ひまを上回る価値があると言えるかもしれません。
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