ホワイトハウスを離れる前に記者団に応じるトランプ大統領＝２６日/Jonathan Ernst/Reuters© CNN.co.jp
（ＣＮＮ） トランプ米大統領は２７日、自身が「万能の治療ベッド」を宣伝するように見える人工知能（ＡＩ）で作成された映像をＳＮＳで共有した。インターネットの陰謀論の片隅で生まれた「メドベッド」に関する映像はその後削除された。
映像は、トランプ氏の義理の娘ララ・トランプ氏が司会を務めるＦＯＸニュースの番組を装った内容で、ＡＩで生成されたトランプ氏が新しい医療技術へのアクセスを約束するものだった。こうした番組がＦＯＸで放送されたことはない。
偽のトランプ氏は「すべての米国人が間もなく『メドベッドカード』を受け取ることになる」と述べた。「このカードがあれば、国内最高の医師が率いる、世界最先端の技術を備えた新病院へのアクセスが保証される」
メドベッドと呼ばれる陰謀論は近年、陰謀論集団「Ｑアノン」の支持者の間で広がっている。偽医者や奇跡的な治療法を信じる古い伝統の現代版であり、政府や医療機関に対する深い不信感に根ざしている。
第２次世界大戦後の米国で未確認飛行物体「ＵＦＯ」の目撃ブームが起きた際、政府がひそかに回収したとされる宇宙船から技術を「リバースエンジニアリング」して、高度な医療技術を開発したという陰謀論が広まった。
政府がこうした治療技術を秘密にして一部のエリート層にしか提供しないという陰謀論は、政府がＵＦＯの情報を隠しているという今も議論を呼ぶ広範な考え方と結びついている。
２０１７年に台頭したＱアノン運動の一部では、トランプ氏がこの秘密の治療技術を国民に解放すると長らく信じられてきた。
今回トランプ氏が投稿し、すぐに削除したＡＩ映像では、偽のトランプ氏が治療法の効能を喧伝（けんでん）していた。「これらの施設は安全で近代的であり、すべての国民の健康と体力を完全な状態に戻すよう設計されている。これは、米国のヘルスケアにおける新時代の始まりだ」
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