ロシアの資金調達力を断て 英米欧

プリッティ・ミストリー・ビジネス記者、ファイサル・イスラム経済編集長

イギリス政府は15日、ウクライナで続く戦争におけるロシアのウラジーミル・プーチン大統領の資金調達能力を断つことを目的に、新たに90件の制裁措置を発表した。ロシア最大の石油企業や、ロシアが西側諸国の制裁を回避するために使用しているとされる「影の艦隊」に属する石油タンカーなどを対象にしている。

さらに、インドの大手石油精製所1カ所と、中国の石油ターミナル4カ所に対しても、制裁措置を進めているという。

レイチェル・リーヴス財務相は、この措置がロシアの経済と、ウクライナにおける軍事作戦の継続能力に重大な影響を及ぼすだろうと述べた。

リーヴス財務相は、国際通貨基金(IMF)の年次総会を前に、「我々は明確なメッセージを送っている。ロシア産の石油は市場から排除される」と語った。

また、イギリス政府が「ロシアおよびウラジーミル・プーチン氏の戦争遂行に対する圧力を大幅に強化している」と述べ、ロシアの石油大手ルクオイルおよびロスネフチを制裁の対象とすることを明らかにした。

「同時に、ロシア産の石油を世界市場に流通させ続けているインドや中国を含む第三国の企業に対しても、圧力を強めている」

「世界市場にロシア産石油の居場所はない。我々は、ロシア政府がウクライナでこの違法な戦争を継続する能力を破壊するために、必要なあらゆる措置を講じる」

リーヴス財務相はまた、イヴェット・クーパー英外相との共同声明の中で、ロシアの石油を世界各地に輸送している「影の艦隊」に属するタンカー44隻に対しても制裁を科す方針だと明らかにした。

ルクオイルとロスネフチは、1日当たり310万バレルの石油を輸出している。イギリス政府によると、ロスネフチはロシアの石油生産全体のほぼ半分を担っており、これは世界の石油供給量の6%に当たる。

制裁対象には、インドのナヤラ・エナジー・リミテッドも含まれている。政府は、同社が2024年だけで、ロシア産原油を1億バレル以上、総額50億ドル相当輸入したと明らかにしている。

ロスネフチは、2017年に他のパートナー企業と共にナヤラ・エナジー・リミテッドを買収しており、同社の一部を所有している。

クーパー外相は、「今回の措置は、ウクライナにおける公正かつ持続可能な平和への一歩であり、より安全なイギリスの実現に向けた一歩でもある」と述べた。

凍結されたロシア資産の収益

主要7カ国(G7)は現在、2022年のウクライナ全面侵攻以降、凍結されているロシアの投資収益から数千億ドル規模の資産を、事実上、押収する計画を検討している。

ロシアの資産の大部分は、基礎となる債券投資が償還された後、欧州中央銀行(ECB)に現金で保管されている。

ロシア資産の大半が保管されている欧州連合(EU)は、これまで広範な押収計画の実施に慎重な姿勢を示してきたが、現在では法的な懸念を回避する方法の策定を進めているとみられる。この計画は、来週開催されるEU首脳会議で検討される予定だ。

ウクライナは、戦争が継続する中で、武器確保および復興の両面において多額の資金を必要としている。

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今年1月、アメリカと共に、ロシアのエネルギー企業ガスプロム・ネフチとスルグトネフチガスに対して直接的な制裁を科した。

当時のデイヴィッド・ラミー外相は、「この措置はロシアの戦費を枯渇させるもの。プーチンの手から1ルーブルでも奪うことが、ウクライナ人の命を救うことにつながる」と述べていた。

アメリカはこれとは別に、中国によるロシア産石油の購入に関連して、中国からの輸入品に最大500%の追加関税を課す案について議論している。

しかし、スコット・ベッセント米財務長官は15日、ヨーロッパが同様の措置に合意しない限り、アメリカはその一歩を踏み出さないと述べた。

「我々は、ヨーロッパのパートナーが共に行動するならば対応する」と、ベッセント財務長官は語った。

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