防犯カメラ映像 流出 屋内丸見え

 日本国内の防犯カメラなどのライブ映像が海外の複数サイトに公開されている問題で、これらのサイトへのアクセス数が月平均で約300万回に上ることが読売新聞のデータ分析でわかった。日本からのアクセスが世界で2番目に多いサイトもあり、流出した日本国内の屋内の映像が広く見られている恐れがある。

◇日本から9%

 分析したのは、読売新聞などの調査で、多数のネットワークカメラのライブ映像を収集・公開していることが確認された海外の7サイト。これらのサイトには日本国内の屋内・敷地内の映像が計約500件(10月時点)あり、うち90件は保育園や食品工場などの屋内の映像だった。防犯カメラ映像の流出先に月300万回アクセス数…海外7サイト分析、静止画保存機能持つサイトも

防犯カメラ映像の流出先に月300万回アクセス数…海外7サイト分析、静止画保存機能持つサイトも© 読売新聞

 読売新聞はサイト分析会社「シミラーウェブ」のツールを使い、8~10月の7サイトのアクセス状況を調べた。トラフィック(データ量)が少ないため分析できなかった1サイトを除く総アクセス数は、8月が331万回、9月が296万回、10月が323万回だった。

 食品工場やオフィスなど日本の屋内・敷地内の映像が約160件公開されていたロシア系のサイトには、月平均59万回のアクセスがあった。国別の割合(10月)は、米国が12・8%で最も多く、日本が9・4%、インドネシアが5・9%と続いた。訪問者の平均滞在時間は2分21秒で、6サイトの中で最も長かった。

◇多くが無断公開か

 ロシア系サイトは約10年前に開設されたとみられる。世界各地の2000件超の映像が公開され、うち2割が「日本」となっている。

 「個人のプライバシーを侵害することはない」「プライベートまたは非倫理的なカメラは、メールで苦情をいただければ直ちに削除される」などと記載されているが、多くは無断で公開されているとみられる。

 日本の高齢者施設とみられる映像もあり、廊下を歩く入居者や職員らしき人物、居室の表札が比較的鮮明に映る。映像にひも付いた情報から千葉県周辺にあるとみられるが、具体的な施設名は分からない。

◇保育園側は不快感

 7サイトの中には、映像の静止画を保存しているサイトもある。このサイトは、欧州など複数箇所にサーバーがあり、約15年前に開設されたとみられる。約400件ある映像の7割超(約300件)を「日本」が占め、うち屋内・敷地内は関西地方の保育園など約180件に上る。

 アクセス数は月平均約7000回、滞在時間は20秒程度にとどまり、広くは知られていないようだ。

 だが、このサイトには定期的に映像の静止画を切り取り、サイト上に保存する機能がある。関西地方の保育園は10月上旬、読売新聞の指摘を受けてカメラを撤去し、サイトには映らなくなったが、過去に切り取られた静止画が、今もウェブ上に残されている。

 同園を運営する社会福祉法人の理事長(56)は、読売新聞の取材に「園児らの画像はどうしたら削除できるのか……。保存する目的が分からない」と不快感をあらわにする。

サイト運営者 指摘受け「削除」

 これらの海外サイトについて、サイバー空間のリスクに詳しい山岡裕明弁護士は「顔が映った屋内の映像を無断でサイトにさらすのはプライバシー権の侵害に当たり、損害賠償請求の対象になり得る」と指摘する。

 欧州系サイトの運営者は7日、読売新聞の取材にメールで応じた。静止画の切り取り・保存の機能は「ユーザー体験の向上のためだけに収集している」と説明。映像の公開がプライバシー権を侵害する可能性について「指摘はもっともだ」とし、「各カメラを精査して(問題のある)カメラを削除するとともに、静止画も消去する」と回答した。

 ロシア系サイトにも取材のメールを送ったが、7日夜までに返信はなかった。

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「のぞき見」可能 国内に約7000

 「のぞき見」できる状態のカメラが日本国内に少なくとも約7000あることが、米セキュリティー企業ビットサイトテクノロジーズの調査でわかった。読売新聞が7サイトに公開されていることを確認した日本国内の映像数(計約1340件)を上回る規模で、より多くの 脆弱(ぜいじゃく) なカメラがある実態が浮き彫りとなった。 同社は昨年12月~今年1月、調査目的で、独自に開発したシステムを使い脆弱なカメラのIPアドレス(インターネット上の住所)を収集。パスワードなしで映像が見られる状態のカメラが全世界で4万超あり、うち日本は約7000で、米国(約1万4000)に次いで多かった。 日本の映像では駐車場や建物の入り口などが多かったが、日本以外では宝石店やデータセンターの内部、警察署、刑務所、医療施設とみられるものもあった。同社は闇サイト上で、脆弱なカメラのIPアドレスや、同社が調査で使用したような収集ツールが交換されていることも確認。犯罪等に悪用されている可能性を指摘している。

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