最近米国で行われた世論調査により、ドナルド・トランプ大統領が有権者からの支持を急速に失いつつあることが明らかになった。国民の間でトランプ氏に対する不満がたかまっているばかりか、共和党支持層の一部からもその政策に異論が出されつつある。
亀裂が入り始めたトランプ大統領の支持層
米政治サイト「ポリティコ」が11月14日から17日にかけて実施した調査によれば、トランプ支持者のうち自身を「MAGA派」とみなすとした人は38%にとどまった。米誌『ニューズウィーク』のアマンダ・グリーンウッド氏によれば、「MAGA派」以外のトランプ支持者は今後行われる下院選などで共和党候補を支持する可能性が低く、大統領にとって不安の種となりうる。
グリーンウッド氏はトランプ大統領が将来的に苦境に立たされる可能性の根拠として、最近行われた複数の調査結果を紹介した。なかでも注目されたのは、エマーソン大学と『ザ・ヒル』が実施した調査で、ここでは保守色が強いテネシー州第7選挙区で行われた特別選挙で共和党が接戦を強いられたことが取り上げられている。
最新の米世論調査でトランプ大統領の支持率が急落
テネシー州での異変
今年12月2日に米テネシー州で行われた連邦下院特別選挙では、最終的に共和党のマット・バン・エップス氏が民主党のアフティン・ベーン氏に勝利したものの、その差はわずか数ポイントにとどまった。2024年の大統領選挙でトランプ氏が同地で大勝したことを思えば、「驚くべき結果」だと『インディペンデント』紙は評した。
こうしたテネシー州の状況は、トランプ氏が2026年の中間選挙で苦労を強いられる可能性を浮き彫りにしている。だが、来年を待たずとも、すでにさまざまな部分で亀裂が生じ始めている。米世論調査会社「ギャラップ」が最近行った調査では、大統領を支持すると答えた人が36%にとどまる一方で60%が不支持を表し、トランプ氏の支持率は第2期開始以来で最低の数字となったのだ。
最新の米世論調査でトランプ大統領の支持率が急落
平均不支持率は55%に
こうした支持率の低下は共和党支持者の間で顕著であり、支持率は7ポイント下がり84%となった。また、無党派層でも支持率は8ポイント減の25%に落ち込んでいる。このギャラップ調査の結果は、米選挙分析サイト「バロットペディア」が発表した世論調査の集計とも合致している。同集計によれば、主な全国調査ではトランプ大統領の平均支持率は42%、平均不支持率は55%に達していたという。
グリーンウッド氏は、「主要な全国調査のすべてにおいて、純支持率がマイナス圏に沈んでいる」と指摘した。大統領としては来年の中間選挙に向けて国民からの支持を維持し、求心力の低下を避ける必要がある。2026年に民主党が下院を奪還するような事態はなんとしても避けたいところだろう。
最新の米世論調査でトランプ大統領の支持率が急落
コア支持層の間でも不満が拡大
さらに、米シンクタンクのピュー研究所が行った最新調査では、ヒスパニック系有権者からの支持が急激に低下していることがわかった。トランプ氏の性急な移民政策などを理由に、ヒスパニック系有権者の3分の2が不支持を表明したほか、61%が経済政策によって自らの状況が悪化したと回答した。
ヒスパニック系移民の票は、2024年の大統領選で同氏を勝利へ導く要因のひとつとなった。しかし現在、この層で同氏を支持するとした人は25%にとどまり、就任前の44%から大幅に低下している。グリーンウッド氏が紹介した各種調査をみるかぎり、支持基盤には亀裂が入りつつあるといえるだろう。トランプ大統領は果たして、2026年11月の中間選挙までに国民の信頼を回復することはできるだろうか。

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