出来損ないの男性ほど、歩行が大事
草食系男子は低テストステロン国家の象徴だ、と書きました。
「草食系男子が増えている」という話を耳にするたびに思い出すことがあります。
それは、男子の象徴である「Y染色体」が年々短くなっているということです。
人間の細胞には、2対(4本)の染色体が入っています。
その2番目の染色体が性染色体。
これが「XX」 であれば女性、「XY」であれば男性になる。
女性はX染色体がそろっている一方、男性はX染色体とY染色体で不ぞろい。
しかも、Y染色体は、X染色体に比べて短い。
男は、もともと遺伝子情報が少ないのです。
性染色体は「XX」が基本。
なので、人間は 女性が基本。
生まれつき、女性の方が安定していて、男性は出来損ない。
だから、男女で平均年齢が7歳も違うのかもしれません。もちろん、男性のほうが7年短い。
しかも、もともと短いY染色体が、年々さらに短くなっています。
このままの勢いで短くなれば何百年後にはY染色体はなくなるんじゃないか、とまでいわれています。
男性消滅の危機です。
現在の少子化が続けば1000年後に日本の人口は100人になるという試算もあるそうです。
さらに言えば、テロメアも、男性は女性より短い傾向があります。
生まれながらにして出来損ないの男性を救うには、
テロメアを伸ばし、テストステロンを増やしてくれる歩行がカギだと思います。
なぜ、私がクリニックでメンズヘルス外来を始めたのかといえば、
世の中、女性外来や女性のための更年期外来はたくさんあるのに、
男性外来や男性のための更年期外来は少ないから。
でも、保護しなければいけないのは、生まれつき出来損ないで短命になりやすい
男性のほうです。
男性は、女性よりも平均寿命が7年短く、在宅医として高齢者施設へ往診に行くとどこ
も女性だらけです。だいたい7対3か、8対2くらいの割合で女性が多く、なかには9割がた女性の施設もあります。
少数派のおじいちゃんはたいてい、施設のリビングルームの
端っこのほうに一人ぽつんと座り、静かに時代劇を見ています。
おばあちゃんたちはというと、楽しげにワイワイ話をしています。
女性のほうが、総じて社交性が高いのです。
だから、長生きするのは女性なのに、孤独死しやすいのは圧倒的
に男性。そんな男性の行く末を思うと、我ながらかわいそうになり、メンズヘルス外来を始めました。
ちなみに、女性にとってもテストステロンは重要です。
テストステロンが多いほうが長生きします。
ただ、女性の場合は、閉経後に自然に増えるもの。
もともと性染色体も「XX」でそろっていて完成品な上に、閉経後に増えるテストステロンが守ってくれるわけです。
だから男性は、健康で長生きしようと思ったら、女性以上に努力が必要です。
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