トランプ 支持率低下に反論 「メディアは、スキャンダルに執着」

グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新世論調査が示すトランプ政権への評価とは

グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態…最新世論調査が示すトランプ政権への評価とは© ニューズウィーク日本版

トランプは耳の痛い世論調査結果を聞き入れるのか Lucas Parker-shutterstock

<2026年に行われる中間選挙をトランプは乗り越えられるか>

ドナルド・トランプ米大統領は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に「私の支持率は過去最高!ありがとう!」と投稿。自身の支持率の高さを主張した。

しかし、この投稿の真実性には首を傾げざるを得ない。ハーバード大学の政治研究所(CAPS)と調査会社ハリス・インサイト・アンド・アナリティクスが共同で実施する、アメリカの有権者を対象とした最新の世論調査では、トランプの支持率は、すべての主要な政策分野において低下していることが明らかになったのだ。

本誌はホワイトハウスにコメントを求めている。

今回の調査結果は、2026年の中間選挙が近づく中、有権者がインフレや移民問題を最大の関心事としている一方、ミネアポリスをはじめとする全米の都市での移民法執行手法に対しても懸念を抱いていることなど、複数の分野で国民感情が徐々に変化していることの証左だ。

2026年1月に行われた最新の世論調査の結果を見ると、トランプの職務全体に対する支持率(「強く支持する」と「ある程度支持する」を合計したもの)は、2025年12月に実施された前回調査から2ポイント減となる45%へと低下した。

政策に基づいて分けられた項目別にみても、経済、移民、外交など、すべての分野で支持率が低下している。

一連の調査は、2025年初頭の政権移行や経済回復、共和党支持層の盛り上がりを背景に、トランプ政権が一時的に高い支持を得たものの、その後1年を通じて徐々に支持を失っていった様子を表している。

移民取り締まりは比較的良好な結果が出たように見えるが

トランプ政権誕生後、ほぼ毎月行われた調査の結果を見ると、トランプの政策評価は徐々に下落してきている。

移民政策についてみると、2025年2月調査では56%もの支持率を獲得していたが、その後下落傾向が続き、今回調査では前回調査比3ポイント減の46%となった。

経済分野では、2025年2月には49%の支持率を記録したものの、今回の調査では43%まで下落した。外交政策も、前回調査比3ポイント減の42%へと下落している。

政府運営に関する支持率は、前回調査比2ポイント減の43%となったほか、長らくトランプ政権の弱点とされてきたインフレ対策に至っては、前回調査比1ポイント減の39%となり、2025年2月調査以降、最低水準となった。

トランプ肝いりの政策でもある関税および貿易政策についても、前回調査比3ポイント減の39%に落ち込んだ。

ただ1つ、トランプにとって明るいニュースもある。今回調査で新たに評価対象となった項目である、ミネアポリスでの反ICE(米移民・関税執行局)抗議への対応だ。

この項目で51%の支持を獲得、全米の都市における犯罪対策(47%)と併せて、トランプにとって高い評価を得た政策項目の1つとなった。

しかし、この項目にすら有権者から厳しい声が寄せられている。

回答者の57%が、ICEおよび税関・国境警備局は、移民法の執行について「行き過ぎている」と答えたほか、55%がアメリカの都市における移民法執行の方法について「強く反対する」もしくは「ある程度反対する」と回答した。

捜査官についても、回答者の86%が、「連邦捜査官にボディカメラの着用を義務付けるべき」と答え、80%が「作戦中に捜査官が身元を明かすべき」と回答している。

有権者は、犯罪者となった移民の摘発には概ね賛成しているが、非犯罪の不法移民まで無差別に取り締まっているという認識も持っている。これはトランプ政権の主張とは相容れない。

共和党内からもインフレの深刻さを指摘する声

調査結果を見る限り、トランプの支持率が崩壊したわけではない。しかし、トランプは各政策分野で徐々に支持を失い続けている。

この種のじわじわとした低下は、特定の出来事に対する反発ではなく、より広範かつ漠然とした熱意の冷却を意味するため、選挙結果に大きな影響を及ぼす可能性がある。

今回の調査結果で、トランプの得意分野(犯罪対策や強硬な移民摘発)と、国民が最も重要視している分野(インフレと経済)との間に、ミスマッチが広がっていることが明らかになった。

有権者は、インフレが悪化しており、経済が縮小していると考えている。現在の経済状況になった原因を「トランプ政権によるものだ」と答えた有権者は前回調査比11ポイント増の63%に上った。

本調査の共同ディレクターで、米グローバルマーケティングエージェンシーネットワークであるスタッグウェルのマーク・ペン会長兼CEOも「アメリカ国民は、経済が悪化し、インフレが加速していると感じており、それに伴いトランプ大統領の支持率も徐々に低下している。移民問題では、アメリカ国民は犯罪歴のある移民の追放には賛成しているが、ICEが行き過ぎた取締りをしており、無作為に移民を摘発していると見なしている。この2つの傾向を踏まえると、共和党は2026年の中間選挙で苦戦を強いられるだろう」と指摘している。

共和党内部からもインフレの深刻さを指摘する声が上がっている。共和党系の世論調査員、ダロン・ショーは「大統領が直面している困難は2つある。1つは民主党による事実上の一致した反対姿勢、もう1つは頑固なまでに高止まりする物価だ」と発言した。

トランプは世論調査の結果を受けとめない

有権者の55%はトランプの政策が選挙公約と「非常に一致している」もしくは「ある程度一致している」と答えている。また、第2次トランプ政権最初の1年で、賛否は別にして多くの成果を上げたかという質問に対しては、54%が「多くの成果を上げた」もしくは「ある程度の成果を上げた」と回答した。

しかし、経済が最後に好調だったのはいつか聞くと、52%が「新型コロナウイルス感染拡大前の2020年」と答えたほか、56%は「現在の経済は縮小している」と考えている。

このねじれた評価が、インフレ対策や経済運営に関する支持率の低下を引き起こしている。これらの分野では、1年間にわたり支持率がゆっくりと30%台後半へと下がっており、中間選挙において大きな逆風となるだろう。

しかし、トランプは自身に都合が悪い世論調査の結果に耳を傾けない。実際、トゥルース・ソーシャルに「虚偽で詐欺的な世論調査は、事実上の犯罪と見なすべきだ……この『世論調査詐欺』を阻止するために、あらゆる手段を講じる!」と投稿している。

取り巻きも同様のようだ。ホワイトハウスの報道官、クシュ・デサイも、過去に本誌に対して「トランプ大統領は、ジョー・バイデンの経済的惨状と国境危機を立て直すことを公約に掲げて当選した。そして、それを実現している。実際、インフレは沈静化し、GDP成長は加速し、国境は封鎖された」と語り、トランプの事績を強調した。そして、「メディアは、アメリカがわずか1年でどれほど前進したかを報じる代わりに、次から次へと作り上げられたスキャンダルに執着している。大統領は、彼を政権へと押し上げた一般のアメリカ国民と共にいるときにこそ、最も真価を発揮する。今後も成果を出し続け、フェイクニュースを排し、国民に直接訴え続ける」とメディア批判を展開した。

移民法執行やインフレに対する懸念は今後も続くのだろうか。今後も継続的に行われる世論調査結果が待たれる。

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