ロシア経済 深刻危機に NYT分析

引用:YouTube

ロシアが4年間ウクライナ戦争を続ける中、経済が深刻な危機に陥っていると、ニューヨーク・タイムズ(NYT)が24日(現地時間)報じた。

ロシア中央銀行出身でカーネギー・ロシア・ユーラシアセンターの研究員アレクサンドラ・プロコペンコ氏は「戦車や砲弾、爆弾、軍事手当などに莫大な資金を投じてきたが、持続的な価値はなく、インフラや技術投資など国家発展を支える分野にはほとんど寄与していない」と指摘した。

ロシア経済は戦争前から長期的な展望が暗かった。石油など地下資源輸出への依存度が高く、産業の多角化は遅れていた旧ソ連崩壊後は出生率が大きく低下し、人口減少も続いていた。権威主義体制の強化により自由も後退していた。こうした中、2022年2月24日のウクライナ全面侵攻で状況は一段と悪化した。

予算の半分近くが軍事費と債務利払いに

国家資源を戦争に集中投入し、社会全体の軍事化を進めてきた結果、現在ロシア連邦予算の約40%が軍事費に充てられ、戦費調達のための債務利払いにさらに9%が費やされている

そのためロシアは石油・ガス輸出で積み立てた国家福祉基金も急速に減少した。即時に現金化可能な資産は、戦前の1,130億ドル(約17兆5,880億2,280万円)から今月は550億ドル(約8兆5,600億円)へと縮小した。

中国や米国がAIなど先端技術に巨額投資を行う一方、ロシアは兵器生産に集中してきた。その結果、AI開発競争で最も後れを取る国の一つとなった。

また、ロシアは西側諸国との関係悪化により外国投資は流出した。過度な軍事支出によるインフレ抑制のため高金利政策を導入し、国内投資も冷え込んでいる。

米戦略国際問題研究所(CSIS)の最近の報告書によれば、戦場で死亡したロシア兵は32万5,000人に上り、人口は戦前の約1億4,500万人から、2100年には1億人未満に減少するとの予測もあるという。

国内では反戦弾圧が強まり、数十万人が国外に流出し、ロシア人権団体「政治犯追悼会」によれば、戦後に政治犯として訴追された人は4,029人に達したとのことだ。

若年層の反戦世論が強まる

ロシアの世論調査スタートアップであるクロニクルスが2025年秋に実施した調査では、18歳から29歳の59%が「戦争目標を達成できなくてもウクライナからの撤退を支持する」と回答し、全体平均の42%を大きく上回ったことが明らかになった。

ドイツ国際関係評議会のシュテファン・マイスター氏はロシアのウラジーミル・プーチン大統領が技術変革時代における長期的繁栄のビジョンを提示できていないと指摘する。

ウクライナ侵攻から最初の3年間、ロシアは巨額の軍事支出に支えられ、国際制裁下でも景気は拡大した。しかし昨年は国家支出削減と失業者増加で減速局面に転じた。

ロシアの原油・ガス収入は国際価格下落と制裁による値引きで前年に約4分の1減少した。そのためロシア政府は不足する予算を補うために税率引き上げで補填せざるを得なかった。

ロシア政府予算は安全保障費と債務返済で半分を占め、残りの多くが年金・医療・教育に充てられ、その他分野は事実上凍結状態だ。

戦争はまた、ロシア経済を二極化させた。軍需関連や外資撤退で利益を得た企業は好調だが、中小企業や年金生活者は物価高と公共料金上昇に苦しんでいる

年金生活者と小規模事業者に経済負担が集中

年金生活者や小規模事業者は、急騰する物価や公共料金の請求書に圧迫されている。

プーチン大統領はロシアの主権を守るためにウクライナへ侵攻したと主張しているが、実際にはロシア産石油を輸入し技術を供給する中国への依存が大幅に深まっているのが現状だ。

またプーチン大統領は、米国が仲介する和平交渉に大きな期待を寄せている。

こうして弱体化したロシアは、中央アジア、コーカサス、中東、中南米など世界各地で影響力が大きく低下した。

ロシアはウクライナ和平交渉の過程で米国との関係を回復し、米国の制裁を解除させることが経済回復への道であるとの立場を明確にしている。主な狙いは、ロシア産天然資源の輸出拡大を再び図ることにある。

しかし、戦争が終結したとしても、西側企業がロシア市場に戻るまでには相当な時間を要する可能性が高いとみられている。制裁への対抗措置として西側企業の資産を接収したことで、不信感を招いたためだ。

さらに、戦時経済を通常の経済体制へと転換することも決して容易な課題ではないとの見方が出ている。

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