エプスタイン事件の扱いで トランプ政権への評価はどう変わるのか

最高陰謀論者
例によって、トランプ氏は新たな陰謀論で民主党を攻撃し始めた。

関連する文書は民主党が数年前に公開するべきだったのにしなかったという内容だ。
これは過去にはしばしば成功した動きで、党派に結束をもたらした。
しかし今回はうまく機能していない。

民主党のジェフリーズ下院院内総務:
「米国民には真実を知る資格がある。
完全に信頼できる真実のみを知る資格が。
それはジェフリー・エプスタインを巡る事件の汚らわしい全容に関係している」。

民主党のジェフリーズ下院院内総務は14日、記者団にそう述べることでMAGA派の分裂拡大を図った。

「これはドナルド・トランプ、パム・ボンディをはじめとするMAGA派の過激主義者たちは、
過去数年にわたって陰謀論をあおり立ててきたた。
だが、今、その悪行の報いが来ている」

保守派の最有力のインフルエンサーたちは、
(ターニングポイントUSAのイベントや14日のポッドキャスト番組で、)
引き続きエプスタイン事件についての答えを求めた。

元被告がどこで富を築いたのか、どのような人物と関係があったのか、そして誰が彼をかばっていたのか。

エプスタイン事件にまつわる論争がすぐに収束する公算は小さい。

エプスタイン事件は、トランプ氏と側近がこの数年広められた主張の 中心を占めている。

米国は(諜報(ちょうほう)機関や大富豪、いかがわしい政治勢力で構成される)「ディープステート」の支配下にある。
彼らが水面下で様々な事件を画策している。

トランプ氏はこの虚偽の神話を利用して権力を築き上げた。
自らを米中央情報局(CIA)とFBIの犠牲者として描き、司法を武器化した。
トランプは、自身こそが、全国に広がるMAGA支持者の希望を体現する存在と位置付けた。

今やトランプ氏は、そのような腐敗したとされる組織の側に立っているように見える。
/陰謀論に取りつかれたトランプ政権は、それ自体が腐敗体質を形成しつつある。

エプスタイン騒動で米国が傷つく可能性
しかし、事態は大統領とその運動に関する話だけでは済まない。

トランプ氏の立場と司法省が陥った混乱を踏まえると、国全体にも影響が及ぶ。

論争を通じ、現代政治の不都合な内幕が明らかになった。
分断されたメディア環境により、真実の概念が打ち砕かれる実態も示された。

MAGA派のメディア司会者たちは、
エプスタイン元被告の疑惑の顧客リストや拘置所内での死の隠蔽を補強しない事実の受け入れを拒絶した。
これはある強力な傾向が極端な形で進んでいる状況を反映する。
つまり一段と多くの市民が、自分たちの信じたい内容を補強する事実を選択したがるという傾向だ。
トランプ氏は他のどの政治家よりもこれを推し進めている。

陰謀論に取りつかれたトランプ政権の腐敗体質は、
司法省とFBIにも被害をもたらしかねない。
上層部の確執により、これらの機関は中核的な任務から注意がそれるリスクを負う。
それらの任務には公正な司法行政、暴力的な犯罪やテロに対する米国民の保護が含まれる。
またこれらの機関の目的が政治によって妨げられれば、
トランプ政権下で実際に起きているように、影響が制御不可能な事態に陥る場合もある。

そしてMAGA系メディアの誰も、ある重要な問題には言及していない。

昨年の大統領選でトランプ氏に投票した有権者の多くは
通常以上に多様な共和党連合の一員なのであって、
強硬なMAGA系陰謀論者ではなかった。
彼らは生活費の危機に不満を募らせる米国民であり、
食料価格や家賃、子育て、教育を気に掛ける人々だった。

今回の一連の政局は、性犯罪に問われ死亡した元被告が絡む荒唐無稽な陰謀論についてのものだが、
果たしてそれが上記の人々に受け入れられるのだろうか?

来年11月に彼らが投票所へ足を運ぶ時、そうした陰謀論を真っ先に頭に思い浮かべる公算は小さいと考えられる。
共和党が議会の過半数を握れるかどうかの運命は、彼らの投票で決まることになる。

本稿はCNNのスティーブン・コリンソン記者による分析記事です。

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