トランプ関税の税率は輸出国・地域によって大幅に異なっている。そこで、今回は米国が各国に課した関税率をランキング形式で見てゆこう。
トランプ政権からもっとも低い関税率を引き出したのは南米諸国(アルゼンチン、チリ、コロンビア、ペルー)および、オーストラリア、イエメン、ウクライナだ。これらの国々に対しては10%の関税が課されることになっている。
さらに、英国も特権的なパートナー国として、関税率はEU諸国よりも5%低い10%に抑えられている。英国にとって、米国は最大の輸出相手国であり、一安心といったところだろう。
一方、欧州連合に加盟する27ヵ国は関税率をなんとか15%に抑えることに成功。ただし、米国からエネルギー資源・軍需品を購入することや、EU企業が米国へ投資することなどが求められている。
日本もまた、15%の関税率で合意したが、合意内容をめぐって両国の見解が食い違う事態となっている。なお、米国のパートナーであるニュージーランドや韓国、トルコ、ノルウェーといった国々についても、15%の関税が課されることとなった。
さらに、アフリカ諸国(カメルーン、コートジボワール、ナイジェリア、コンゴ民主共和国)や中南米諸国(ボリビア、コスタリカ、ベネズエラ)、アイスランド、ヨルダンといった国々も、関税率15%となっている。
中米に位置する人口700万人の国、ニカラグア。米国から18%の関税率を課されたのはこの国だけだが、その理由は不明だ。
東南アジア諸国(カンボジア、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ)およびパキスタンに対する関税率は19%と、やや高めに設定された。
一方、ベトナム、台湾、バングラデシュ、スリランカについては関税率20%となっている。『Les Echos』紙はこれについて、「トランプ氏は(これらの国々による)繊維製品の輸出、台湾の場合は半導体を問題視している」と分析した。
中国のライバルでありながら、米国とも距離を置くインドは関税率25%。さらに、ブルネイやカザフスタン、モルドバ、チュニジア、そしてトランプ政権とたびたび衝突を繰り返しているメキシコについても、25%の関税が課されることとなった。
トランプ政権によって高い関税率を設定された国々については、もはや関税というよりも経済制裁の様相を呈している。たとえば、関税率30%を課された南アフリカ共和国やアルジェリア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、リビアなどだ。
トランプ政権によって高い関税率を設定された国々については、もはや関税というよりも経済制裁の様相を呈している。たとえば、関税率30%を課された南アフリカ共和国やアルジェリア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、リビアなどだ。
トランプ大統領はカナダを米国に併合すべきだと繰り返し発言しており、これを拒否するカナダに対して、35%という懲罰的な関税率を課した。これは両国の経済的な結びつきを損なうものだ。なお、イラクおよびセルビアにも35%の関税が課される。
米国への輸出額が大きいスイスだが、それにしても39%という関税率の高さは不可解だ。これによって、スイス国内は政治的混乱に陥ることになってしまった。
一方、繊維製品の輸出大国として知られるラオスおよびミャンマーについては、40%という非常に高い関税率が設定された。また、シリアに対する関税率は41%となっている。
とくに高い関税率を課されているのはトランプ大統領が目の敵にしている国々だ。例えば、ブラジルのルーラ政権はトランプ氏が同盟者とみなすボルソナーロ前大統領に対して訴追を進めており、50%という高関税率を課されてしまった。とくに高い関税率を課されているのはトランプ大統領が目の敵にしている国々だ。例えば、ブラジルのルーラ政権はトランプ氏が同盟者とみなすボルソナーロ前大統領に対して訴追を進めており、50%という高関税率を課されてしまった。
米国にとって、最大のライバルは世界第2位の経済を誇る中国だ。一時は145%の関税率となっていたが、最終的に55%へと引き下げられた。とはいえ、懲罰的な関税率であることには変わりなく、米国民の購買力が低下するという懸念もある。
一部の製品には、輸出国ごとの関税率とは別に、一定の関税が上乗せされる。例えば、鉄鋼やアルミニウム、銅は50%、自動車およびその部品は基本的に25%といった具合だ。
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