米国の生産者物価 3年ぶりの最高値(前月比0.9%上昇) 関税インフレ

米国の生産者物価が3年ぶりに最高値に高騰し、関税インフレを巡る議論が再び持ち上がっている。ドナルド・トランプ米大統領の関税政策が企業製造コストを引き上げているというシグナルであり、近いうちに消費者物価の上昇につながるだろうという見通しが説得力を得ている。

14日(現地時間)、米労働部傘下の労働統計局は、先月、生産者物価指数(PPI)が前月比0.9%上昇したと発表した。市場予測値(0.2%)をはるかに上回っている上、2022年6月(1.1%)以来の最大幅の上昇率だ。
変動性の大きい食品とエネルギーを除いた根源PPIも0.6%も上がった。昨年7月と比べても3.3%も高騰し、市場予測値(2.5%)と6月の上昇率(2.4%)を上回った。

原材料や中間財、最終財など生産段階別の価格指数を組み合わせて算出するPPIは、時差を置いて消費者物価に反映される。企業が関税賦課前に在庫を確保し、マージンを減らす方法で消費者価格に関税影響を反映せず、これまで消費者物価は安定傾向だった。PPI発表をわずか2日後に控えて発表された消費者物価指数(CPI)の上昇率は、市場予測を下回った。しかし、生産者物価の上昇で、近いうちに消費者の体感物価に、関税影響が本格化する可能性がある。

米物価が揺れるシグナルを受け、連邦準備制度(FRB)の利下げへの期待も和らいだ雰囲気だ。セントルイス連邦準備銀行のアルベルト・ムサレム総裁は、CNBCとのインタビューで、「ビッグカット(0.5%ポイントの利下げ)は、現在の経済状況と予測では支持されにくい選択だ」と話した。これに先立って、スコット・ベッセント米財務長官などは、一度に0.5%ポイントの利下げに踏み切るべきだと主張した。大幅な利下げへの期待が下がり、ニューヨーク証券市場は乱高下の末取引を終え、史上最高値を更新したビットコインなどの仮想通貨の価格は一日で3%下落傾向に転じた。

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