マーク・ロスコ 抽象画

マーク・ロスコ 抽象画

マーク・ロスコの作品は何がすごい?作品の特徴や代表作を徹底紹介! | アートリエメディア | アートの販売・レンタル-ARTELIER(アートリエ)

彼は一般的に抽象表現主義の代表的な作家の1人として知られていますが、彼自身は自らの作品をいかなる芸術運動にもカテゴライズしませんでした。

ロスコは、絵画を通じて抽象的な表現に没頭し、その作品は深い精神性と鮮やかな色彩で溢れています。独自のアートスタイルとダイナミックな筆致も魅力です。

マーク・ロスコの作品の特徴は、独自の抽象表現主義スタイルで、「カラーフィールド・ペインティング」と呼ばれるアートムーブメントの一翼を担いました。絵画に線や形、幾何学的な構成は使用されず、キャンバス全体を少ない色数の大きな色彩の面で埋め尽くすスタイルです。

ロスコの絵画は、油絵の具を水彩のように薄く溶き、何層も塗り重ねることによって生み出される深い透明感が特徴です。その特異な技法により、絵画の表面を凝視すると、最初に見えた色とは異なる色彩が浮かび上がってきます。

マーク・ロスコは、鑑賞者にどのように訴えかけ、どう理解されるかに徹底的にこだわっていました。表現する際に「7つの成分」という要素を大切にしていました。

  1. 死に対する明瞭な関心がなければならない。命には限りがあると身近に感じること。 
  2. 官能性。世界と具体的に交わる基礎となるもの。存在するものに対して欲望をかきたてる関わり方。
  3. 緊張や葛藤、もしくは欲望の抑制。
  4. アイロニー。ひとが一時、何か別のものに至るのに必要な自己滅却と検証。
  5. 機知と遊び心。人間的要素として。
  6. はかなさと偶然性。人間的要素として。
  7. 希望。悲劇的な観念を耐えやすくするための10パーセント。
  8. 1930年代、画家ミルトン・エイブリーと出会います。エイブリーはロスコにプロの芸術家としてのアドバイスを与えた重要な人物です。
  9. エイブリーの形態と色に関する知識を用いた自然画は、ロスコに大きな影響を与えました。
  10. ロスコがエイブリーと出会った後、彼の作品にはエイブリーによく似た色彩や主題が現れ始めます。
  11. たとえば、1933年から1934年に制作した「海水浴場もしくはビーチ」は、エイブリーの影響が色濃く出ています。
  12. この時期、ロスコはアメリカの現代美術が概念的な停滞に陥っていることに危機感を抱き、都市や自然の風景以外の主題を探し始めました。
  13. ロスコは社会的影響を持つ芸術を志向し、神話や無意識の世界の探求を深めていきます。怪物や神話的な価値観を自身のアートに取り入れることで、現代の政治的象徴や価値観に打ち勝つことができると信じていました。
  14. 精神分析理論や神話学にも没頭し、普遍的な神話のシンボルを理解することで、彼の芸術的アプローチが変化し、魅力的な作品をさらに生み出すことになります。
  15. マーク・ロスコの芸術は新たなビジョンに向かい、近代人の精神の探求と神話の創造に焦点を当てました。この時期、彼に最も重要な影響を与えたのは、フリードリヒ・ニーチェの『悲劇の誕生』です。
  16. ニーチェは人間が内なる不安や恐怖に支配され、非理性的で本能のままに生きる野蛮な存在であると考え、近代と原始の世界にはあまり変わりがないと主張しました。
  17. この哲学的な背景からロスコの芸術は、近代人の精神的な虚無感を減らすことを目的とするものになっていきます。
  18. マーク・ロスコの芸術表現は、シュルレアリスム、キュビスム、抽象表現主義といったさまざまな要素を取り入れました。
  19. 1936年、ニューヨーク近代美術館で開催された『キュビスムと抽象芸術』展と『幻想芸術:ダダとシュルレアリスム』展に参加し、これらの展示はロスコに大きな影響を与えます。
  20. ロスコは神話を触媒として活用し、シュルレアリスムと抽象芸術を巧みに融合させました。その結果、彼の作品は抽象化が進み、1942年メルシ百貨店の展示で作品が発表されます。
  21. マルチフォームという言葉は批評家によって付けられたもので、ロスコ自身が考案したわけではありません。
  22. 特に1948年に制作された作品《No.18》や《無題》は、彼の芸術の移行期を象徴する代表作です。
  23. これらの作品において、ロスコは有機的な形態を重ねて組み立て、人間の表現とは異なる自己完結した存在を示しました。
  24. 1949年にはマルチフォームの色面が整理され、大きな縦長のキャンバスに矩形の色面が縦に配置されるロスコの代表的なスタイルが確立します。

1946年から彼は作品に題名をつけることをやめ、番号のみとし、題名から読み取れる情報(ノイズ)を消失。

1949年、46歳にしてついに縦長のキャンバスに複数の色の帯を描く「マルチ・フォーム」の表現に至り、抽象度の高いロスコ・スタイルが完成、縦長の大きなキャンバスに矩形の色面を縦に配置する代表的なスタイルを確立します

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