高市の誤算 連立離脱
自民党と公明党が連立を組んで26年、ついに終止符を迎えた。
これまで自民党から公明党はさんざん煮え湯を飲まされるようなことが続いてきた。平和とクリーンな党を標榜する公明党と創価学会をないがしろにしてきたことは多々あった。
それでも、耐え抜いてきた背景には、菅義偉元首相、二階俊博元幹事長、直近でいえば森山裕幹事長のように、公明党、創価学会と人間的な関係があった人物がいたから。
高市氏が総裁になって、とんでもない党人事になった。もう公明党は必要がないといわんばかりの人事
公明党が特にこだわったのは「政治とカネ」の問題だった。
だが、高市氏は総裁選勝利の原動力で、今も唯一の派閥、麻生派を続ける麻生太郎氏を副総裁に、幹事長には義弟の鈴木俊一氏を起用した。さらに旧安倍派の「5人衆」の中核メンバーで、2728万円の萩生田光一氏を幹事長代行に起用した。萩生田氏の政策秘書は、裏金事件で今年8月に有罪判決が確定したばかりだった。
「麻生氏の傀儡と化した高市氏は、麻生氏の要求をなんでもかんでも受け入れた。しかし、公明党とのパイプがないため、慌てて菅氏に泣きついたが、すでに時遅しだった。
菅氏をもってしても、公明党は離脱をほぼ決めていた以上、菅氏は『もうなにもできない』と周囲につぶやいていた。高市氏は、公明党を甘く見すぎた。
麻生氏は『公明党を切って国民民主党と組み替える』と周囲に話し、高市氏もその意向通りに進めていた。
池田名誉会長死去で 流れが変わった
緊急記者会見では
立憲民主党と国民民主党、そこに日本維新の会を合わせると、衆議院の議席は223議席となって自民党の196議席を上回る。
公明党の24議席が追加されると247議席となり、過半数をクリアできるのだ。公明党もその流れに乗る意向だろう。
「野党時代もあったが、自公で26年間やってきた大半が、与党だった。公明党には、立憲民主党や国民民主党にない、与党としての実績とキャリアがある」
「自公連立を離れることを決断できたのは、池田大作名誉会長がお亡くなりになられたことも背景にある。与党にいるかぎり、池田名誉会長が国会で政教分離で追及されるようなことがありえないという保険の意味もあった。もはやそれを心配する必要もない。
自民党も政権を手放したくないが、うちも与党でいたいのは同じ。自民党を切ったとなれば、野党と組んで政権を取りに行くことは十分にあります。
麻生氏は自身が総理だった時代に、旧民主党への政権交代を許した。そして、今回は高市氏を前面に立てた「傀儡政権」でまたもや政権交代の危機を迎えている。
「麻生氏は国民民主党とのパイプが太く、公明党の排除を狙った。高市氏を利用してうまくいきかけたところに、公明党の反発をくらった。高市氏が総理になれば政権交代になりかねない状況になったのは、びっくり仰天だ」(前出・B氏)
思わぬ政権交代劇が、いよいよ現実化してきた。
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