先月初め、イスラエルのある都市でミサイル警報が鳴った。同時に数千人のイスラエル市民に避難所案内アプリをダウンロードしろという内容のショートメッセージが送られた。イスラエル軍を詐称したハッカー組織が送ったもので、アプリは個人情報を奪うために作られた偽物だった。
同時刻、別のイスラエル市民は「ネタニヤフ(イスラエル首相)は死んだ。君にも死が近づきまもなく地獄の門が開かれるだろう。イランのミサイルの砲火に包まれる前にパレスチナを去れ」という背筋が寒くなる内容のグループメッセージを受けた。
米国・イスラエルと戦争中のイランが信じる武器は弾道ミサイルとドローンだけではない。銃の代わりにキーボードで戦うサイバーハッキング部隊はイランが動員できる最も老練な戦士のひとつだと英フィナンシャル・タイムズが最近報道した。
イランのハッキング攻撃は個人情報収集と恐怖助長を超え実際の戦争に活用されている。イスラエルのセキュリティ企業チェックポイントソフトウエアのギル・メッシング理事は同紙に「イランのハッカーはイスラエルと中東一帯の防犯カメラ映像を確保し(イランの)ドローン・ミサイル攻撃の座標設定を助けた」と話した。
企業と情報機関のセキュリティ網も突破する。先月11日、英国民保健サービス(NHS)などを顧客に持つ米国の医療機器企業ストライカーの世界的電算網がハッキングされた。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、イラン連係ハッカー集団「ハンダラ」の仕業で、ストライカー社員の携帯電話とノートパソコンなどウィンドウズ基盤機器のデータ20万件が削除された。
米国の多くの病院がこの企業の手術用装備を使っており、もし事態が長期化したならば医療空白につながりかねなかったとブルームバーグが伝えた。
ハンダラは先月27日には米連邦捜査局(FBI)のパテル長官の電子メールアカウントもハッキングし、パテル長官の個人写真と電子メールをオンラインに流出させた。イランのハッカー組織は2022年にもイスラエルの情報機関モサドの長官夫人の携帯電話をハッキングして個人情報をテレグラムに流した。

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