米邦最高裁、トランプ行政上の誤りを指摘 強制送還した男性(29)の帰還を命令

2025年4月9日、トランプ政権によって誤ってエルサルバドルに強制送還された男性の妻らとワシントンで会見する、民主党の下院議員(右)=ロイター

2025年4月9日、トランプ政権によって誤ってエルサルバドルに強制送還された男性の妻らとワシントンで会見する、民主党の下院議員(右)=ロイター© 朝日新聞社

 米連邦最高裁は10日、トランプ政権が「行政上の誤り」でエルサルバドルに強制送還した男性(29)の帰還を促進するよう、政権側に命じた。誤りを認めつつも、「ギャングのリーダーで、米国に戻れば公共の安全への脅威となる」という政権側の主張を退けた。政権が移民問題で強硬姿勢を取るなか注目の事案となっており、政権側の今後の対応が問われる。

 エルサルバドル出身の男性は、同国に戻ると危害を加えられる恐れがあるとして、2019年に米国の裁判所によって保護資格が認められ、送還されないことが保障されていた。また、犯罪歴はない。しかし、今年3月に強制送還され、現在はエルサルバドルの刑務所に収容されている。

 男性側が起こした裁判の中で、政権側は「送還は行政上の誤りだった」と認めながらも、「連れ戻すことはできない」と主張していた。これを受け、連邦地裁は4月4日、男性を帰還させるよう、政権側に命じていた。

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