ドナルド・トランプ米大統領の政権運営が経済、移民政策、対イラン対応の各分野で同時に揺らぎ、共和党の中間選挙戦に警戒感が広がっている。物価や移民政策、戦争対応を巡る有権者の不満が重なり、トランプ政権に対する逆風が共和党候補にも影響する可能性があるとの見方が出ている。
英ガーディアンは22日(現地時間)ストレングス・イン・ナンバーズ・ベラサイト、AP通信・NORC公共問題研究所などの世論調査を総合し、トランプ大統領の支持率が33~36%にとどまっていると報じた。これは、これまでの最低水準に近い数値とされている。
特に経済分野での打撃が目立っている。AP通信・NORC公共問題研究所の世論調査によると、米国人の約7割が現在の経済状況を「悪い」と評価し、72%が米国は誤った方向に進んでいると答えたという。トランプ大統領の経済運営に対する支持率は今年3月の38%から30%に低下し、生活費対策については23%のみが肯定的に評価し、76%が否定的な見方を示した。
トランプ大統領の主要な政治的資産とされてきた移民政策についても、支持が弱まりつつあることが示された。イプソスの調査では、回答者の52%がトランプ政権の不法移民送還政策を支持する候補への支持を控えると答えた一方、支持を強めると答えたのは42%だった。無党派層ではこの傾向がより顕著で、57%が送還政策に反対する候補を支持すると答え、賛成候補を支持するとした回答は32%にとどまった。
トランプ大統領の移民政策に対する支持率は、2025年1月の就任直後には50%前後だったが、現在は40%程度まで低下したとされている。今年初めミネソタ州ミネアポリスで移民取締当局と抗議デモ参加者が衝突し、2人が死亡した後、政権が移民拘束の速度を緩めたことも世論変化の背景として指摘されている。
NBCニュースの調査でもトランプ大統領の個人支持率は再任後で最低となる37%を記録し、63%が否定的に評価した。このうち半数は「強く否定する」と回答した。一方で共和党支持層内では結束が維持されており、共和党支持者の83%がトランプ大統領を肯定的に評価しているものの、これは今年初めより4ポイント低い水準となっている。
中間選挙を控える共和党にとって、最大の懸念材料は経済問題とみられている。NBCの調査では、回答者の29%が最も重要な課題として経済を挙げ、民主主義への脅威が24%、医療が12%、犯罪対策が10%と続いた。
イラン戦争への対応も政権にとって重荷となっている。回答者の67%がトランプ大統領のイラン戦争への対応を否定的に評価し、肯定的な評価は約3分の1にとどまった。民主党支持層ではほぼ全員が否定的な見方を示し、無党派層でも82%が否定的に評価した。一方、共和党支持層では74%が肯定的に評価しており、支持層間の認識の違いが際立っている。
追加の軍事行動に対する慎重姿勢も広がっている。全体の61%が米国はイランに対してこれ以上の軍事行動を取るべきではないと回答した。
一方で、トランプ大統領と共和党が比較的優位に立つ政策もある。有権者に政府発行の写真付き身分証明書や市民権の証明提示を義務付ける案については、回答者の約4分の3が写真付き身分証明書の提示に賛成し、61%が市民権証明の提示にも賛成した。
ガーディアンは経済や物価の上昇、強硬な送還政策、イラン戦争の負担が重なり、トランプ大統領の政治的負担が増していると指摘し、議会多数派の維持を目指す共和党候補にも影響を及ぼす可能性があると伝えている。

コメント