トランプ氏、米議会で求心力低下か…共和党、「ロシア制裁」法案の採決強行へ
共和党の一部議員と指導部が、米国のドナルド・トランプ大統領の反対にも関わらず、ウクライナへの軍事支援と対ロシア制裁を強化する主要法案の採決を強行する方針を明らかにした。
CNNは13日(現地時間)、共和党が主導する下院が、トランプ大統領のウクライナ戦争への対応を批判する意味で、「親ウクライナ法案」を6月初めに採決にかける予定だと報じた。
2月28日に米国とイスラエルによる対イラン軍事作戦が始まって以降、トランプ大統領の外交政策の焦点はイランに移り、ウクライナ戦争への米国の関与は限定的な水準にとどまっていた。
トランプ大統領は就任前後に掲げていた「ウクライナ戦争の早期終結」という公約を果たせていない。さらに、イラン戦争による国際原油価格の上昇を抑えるため、ロシア産石油への制裁を緩和し、党内の一部議員の反発も招いた。
特に11月の中間選挙を前に、物価高と原油高が収まらない中、民主党だけでなく共和党内の中道派からもトランプ大統領への批判の声が上がり始めている。
CNNは、下院での新たなロシア制裁関連の採決は、マイク・ジョンソン下院議長と指導部にとって大きな悩みの種になる可能性が高いとし、すでに政治的に厳しい状況に置かれている現職議員たちは、米国が新たな国際紛争に介入するよりも、国内の物価問題を解決することを望んでいるためだと分析した。
ウクライナ支援法案は可決されるのか
現時点で、共和党指導部がこの法案に反対するのか、あるいはホワイトハウスが阻止に動くのかは分かっていない。
CNNによると、共和党と民主党の関係者は、ウクライナ支援法案が下院を通過するとの見方で一致している。一方で、上院での行方は不透明だという。上院には、過去にウクライナ支持を公に表明してきた共和党議員が複数いるものの、法案可決には共和党内で少なくとも60票を確保する必要があるためだ。
米議会が同法案を可決した場合、ジョー・バイデン前政権時代の追加予算案以降、ウクライナ戦争を巡るトランプ政権初の主要措置となる見通しだ。
今回の法案には、主要銀行や石油・鉱山会社を含むロシアの主要経済部門と機関への厳しい制裁も盛り込まれている。米国に輸入されるすべてのロシア製品に500%の関税を課し、ロシア産原油の輸入を禁止する内容も含まれているとされる。
ウクライナへの新たな軍事支援には、80億ドル(約1兆2,700億円)規模の武器売却承認と、バイデン前政権時代に実施されていた軍事装備の貸与プログラムの延長が含まれている。
トランプ大統領、求心力低下も
これまでトランプ大統領は、ウクライナへの武器支援に消極的な姿勢を示す一方、ロシアをけん制する北大西洋条約機構(NATO)からの脱退に繰り返し言及するなど、ロシアに融和的な姿勢を見せてきた。
6月にウクライナ支援と対ロシア制裁強化を盛り込んだ法案が可決されれば、トランプ大統領の共和党内での求心力が大きく低下する可能性がある。
ウクライナ戦争のように象徴性の大きい外交・安全保障問題で、共和党議員が公然と反旗を翻して採決を強行すれば、党内で反トランプの動きが拡大している兆候と受け止められる可能性があるためだ。
議会がウクライナ支援予算を可決し、ロシアへの追加制裁を法制化した場合、トランプ大統領が望んだとしても、従来の親ロシア的なアプローチや戦争縮小に向けた圧力の行使は事実上困難になる可能性がある。
さらに国際社会では、トランプ大統領が米議会を掌握できていないとの見方が強まり、米国の国際的な立場にも影響が及ぶ可能性がある。
現在、ロシアとウクライナは、国際社会の関心がイラン戦争に集まる中でも激しい戦闘を続けている。米中首脳会談が開かれる直前の13日には、ロシアがウクライナに向けてドローン800機を同時に飛ばすなど、大規模な攻勢をかけた。

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