「トランプ氏に目を付けられる」…訴訟せず「静かに」還付申請した企業、2万6,000社超
「訴訟大国」米国で関税訴訟に踏み切った企業は1,500社ポータルサイトで還付申請した企業は2万6,000社超還付申請企業の「ブラックリスト」説に「目を付けられるのでは」と懸念
引用:BBC
米税関・国境警備局(CBP)が開設した関税還付ポータルサイトで、還付を申請した企業が2万6,000社を超えた。米国際貿易裁判所に訴訟を起こした企業が1,500社以上だったことを踏まえると、17倍を超える企業が還付を申請したことになる。「訴訟大国」の米国で、関税還付を望む企業があえて訴訟に踏み切らなかった背景には、トランプ政権に「目を付けられる」ことや、関税問題で注目されることを避けようとする意識があったとの分析が出ている。
15日(現地時間)、米政治専門メディアのポリティコによると、CBPが開設したポータルサイトを通じて関税還付を申請した企業は2万6,000社を超えた。この中には、アップルやマテルなど、関税還付訴訟を起こしていなかった企業も含まれていた。
米国で企業や個人が法的権利の保護を求める最も確実な方法は訴訟だ。CBPも還付申請ポータルサイトを開設した際、実際の還付がいつ完了するかは保証できないとしていた。専門家は、申請企業が実際に関税の還付を受けるまで数か月かかることもあるとみている。
それでも、関税還付を望む企業が昨年、政府を相手取った訴訟に加わらず、静かに還付申請だけを行ったのは、行政側の報復的措置を懸念したためとの指摘が出ている。
今年2月、米連邦最高裁がドナルド・トランプ米大統領による国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく相互関税を無効と判断した後、Kストリート(ロビー団体や法律事務所が多いワシントンD.C.の通り)では、政権が関税無効訴訟を起こした企業を「ブラックリスト」に載せているとの噂が広がった。トランプ大統領も先月、CNBCとのインタビューで「(関税還付の試みを)しないなら、私のことを非常によく分かっているということだ」とし、「彼らがそうしないなら、私は彼らを覚えている」と語った。関税還付を求めた企業への不利益を示唆した発言だ。
政権の「しこり」を意識してか、アップルは先月の業績発表で関税還付申請について説明し、「返還されるすべての金額を米国内のイノベーション及び先端製造に再投資する計画だ」と述べ、慎重な姿勢を示した。
訴訟を避けた「静かな」還付申請には、消費者からの訴訟を避けられる利点もある。関税還付訴訟の先頭に立っていたコストコの場合、今年3月、関税負担を理由に商品の販売価格を引き上げて得た利益を返還するよう求める消費者からの集団訴訟を起こされた。
米通商代表部(USTR)で勤務した経験を持つ、ベーカー&マッケンジー国際貿易部門パートナーのナット・ハルバーソン氏は「大多数の企業が正当な関税還付を求める決定を下しているにもかかわらず、恐れが企業をためらわせている」とし、「計り知れないリスクがある中で、その金を追うことにどれほどの価値があるのか」と反問した。ハルバーソン氏はさらに「関税還付を受けた企業としてメディアのスポットライトを浴びることは、ほとんどのCEOにとって悪夢だろう」と指摘した。

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